今回は、残り少ない日音色の日々を思って「町家」のお話をたくさんして
くださいました。
以前、京都の古い町家に住んでいた和美さん。日音色も戦前に建てられた古い
木造家屋なので、町家での暮らしぶりに親しみを感じます。
古い建物ならではの悩みや不便さもあります。でも、そこから思いがけない
発見があったり、ゆっくり暮らしを見つめなおしたり、そういう和美さんの
心の動きを感じながら、日音色での日々とも重ね合わせていました。
日、音、色、という一文字一文字に、窓のマークがひそんでいることから、
お店のロゴを窓のマークにした日音色。
窓にまつわる朗読もしていただきました。
窓がひとつあるだけで、その向こうが見えるだけで、心の在り方が違って
くると思う、という和美さんの言葉にうなずきました。
和美さんから伝わってくる「強さ」のようなものの正体ってなんだろう?と
ふと考えました。
和美さんの日記やメールの文章、朗読のときの声、どんなところにも
和美さんだけのリズムがあって、それはなんだか背筋がしゃんと伸びるような
凛とした躍動感があります。
きっと、和美さんも日々弱くなったり迷ったりすることはたくさんあるの
だろうけれど、和美さんらしいゆるぎないリズムをずっと刻んでいることは
変わらなくて、そこのゆるぎなさに強さを感じるのかな、と朗読を聞きながら
考えていました。
迷ったり立ち止まったりしてもいい、そんな日々の中で自分のリズムを刻んで
いけばいいのだなーと思わせてもらえます。きっかけをもらえるのです。
それはとても、大きなことだと思います。
みなさん、帰られるときにすてきな表情をされていたことが心に残っています。
一緒にあたたかな時間を過ごせたこと、本当にうれしく思います。
大切な窓も書いたり描いたりしてくださって、ありがとうございました。
そして、残り少ない日音色にすてきな時間を運んでくれた和美さん、心から、
ありがとうございました。
おいしいお茶もごちそうさまでした。