西淑さんの個展「うすいろのはなかんむり」が終了しました。
絵から静かな息づかいが聞こえてきそうな、その場にいる人の心を
包んでくれるような、優しい作品たちでした。
冊子に添えられた言葉もすてきで、子どもの頃に、シロツメクサで
花かんむりを作ったときの風景がよみがえってきました。
お越しいただいた方の感想を拝見しても、「作品を見てあたたかい
気持ちになりました」「久しぶりにほっと出来た時間でした」という
言葉がたくさんたくさんありました。
展示初日の3月11日の地震から3週間、本当にいろいろなことが頭を
巡りました。展示作家の西淑ちゃん、お越しいただくお客様、
日音色に立つ自分、それぞれの立場で、言葉にならない思いがぐるぐると
さまよっていた気がします。
最初は「自分は何ができるのか、どうすべきなのか」をずっと考えていて、
沈んだり、焦りに似たような気持ちが大きかったのですが、二週間、
三週間を経て少しずつ、自分がいるこの場所から出来ること、日音色という
場所だから出来ること、したいことを、目の前にある日常を見つめながら
考えていこう、と思うようになりました。
みんな、それぞれの状況や環境で、いろんな気持ちを経て、今も考え続けて
いるのだろうなと、周りの人たちを見ていても思います。
家族、友人、在廊中の淑ちゃんやお客さん、いろんな人の行動や話すこと
から教えてもらうことが多くあります。
地震発生前後に作品展開催の作家さんは「こんなときに展示をしていて
いいのかな」などと悩んでしまった方も多いのではないかと思います。
けれど、そこから「展示中の自分が今できることは何か」を前を向いて
考えるようになった方もきっとたくさんいらっしゃると思います。
日音色にまずは募金箱を設置したあと、小さい場所だけれど、もっと、
この場所だから出来る形で何かできたら・・・、と考えていたちょうど
そのときに、淑ちゃんが、追加でドローイングの作品を展示して、その作品を
お買い上げいただいた売上げを全額義援金として日音色の募金箱経由で募金
する、という形を提案してきてくれました。
たくさんのドローイング作品はすべて、それぞれの方の手元に旅立ちました。
お客さんは、祈りのような思いが描かれている作品一枚一枚をゆっくりと
選ばれていて、そのときの空気がとても優しかったのです。
忘れられない、大切な3週間になりました。
お越しいただきました皆さま、行きたいけれど行けなかったという方、
本当にありがとうございました。
それぞれに義援金募金などされている中、日音色でも募金にご協力ください
ました皆さまも本当にありがとうございます。
そして淑ちゃん、おつかれさまでした。これからの淑ちゃんの絵も
本当に楽しみにしています!
ありがとうございました。